持分法適用株式投資における会計処理と開示のポイント

連結子会社の株式の持分法適用

連結子会社の株式を保有する場合、連結会計基準では持分法が適用されます。持分法とは、連結子会社の純資産の変動に応じて、親会社の純資産にその持分を反映させる会計処理方法です。

持分法適用の要件

持分法を適用するには、以下の要件を満たす必要があります。

親会社が連結子会社の議決権の過半数を保有していること

連結子会社が親会社の経営に重大な影響を受けていること

持分法の適用方法

持分法を適用すると、親会社の貸借対照表には、連結子会社の純資産のうち親会社が保有する持分が記載されます。また、親会社の損益計算書には、連結子会社の当期純利益のうち親会社が保有する持分が記載されます。

持分法適用の効果

持分法を適用すると、以下の効果があります。

連結子会社の業績が親会社の財務諸表に反映される

親会社と連結子会社間の取引が相殺され、連結財務諸表の透明性が高まる

連結子会社の財務状況を把握しやすくなる

持分法適用の注意点

持分法を適用する際には、以下の点に注意が必要です。

連結子会社の株式の取得価額と純資産額の差額は、のれんまたは繰延税金資産として処理する

連結子会社の当期純利益のうち親会社が保有する持分は、親会社の当期純利益に含めない

連結子会社の株式を売却した場合、売却益または売却損は親会社の当期純利益に含める

持分法適用株式の評価

持分法適用株式は、以下の方法で評価されます。

取得価額法

純資産価額法

時価法

持分法適用株式の処分

持分法適用株式を処分した場合、以下の処理を行います。

取得価額法の場合：売却益または売却損を当期純利益に含める

純資産価額法の場合：売却益または売却損を当期純利益に含めない

時価法の場合：売却益または売却損を当期純利益に含める

持分法適用株式の会計処理

持分法適用株式の会計処理は、以下のようになります。

貸借対照表：持分法適用株式を資産に計上する

損益計算書：連結子会社の当期純利益のうち親会社が保有する持分を収益に計上する

キャッシュフロー計算書：連結子会社の営業活動から生じたキャッシュフローのうち親会社が保有する持分を営業キャッシュフローに計上する

持分法適用株式の監査

持分法適用株式の監査では、以下の点を重点的に監査します。

連結子会社の株式の取得価額の適正性

連結子会社の純資産額の適正性

連結子会社の当期純利益のうち親会社が保有する持分の適正性

持分法適用株式の評価の適正性

持分法適用株式の処分の適正性

持分法適用株式の税務上の取扱い

持分法適用株式の税務上の取扱いは、以下のようになります。

法人税法上：持分法適用株式は、他の株式と同様に扱われる

所得税法上：持分法適用株式の配当金は、他の株式の配当金と同様に扱われる