株式共有議決権行使通知書記載事項確認ポイント

株式共有議決権行使通知書：共有者の意思決定と権利行使

株式会社において、株式は議決権という重要な権利を有する。議決権とは、株主総会において会社の重要な意思決定に参加し、自らの意思を反映させる権利である。株式を共有している場合、その議決権行使は共有者間で調整が必要となる。本稿では、株式共有議決権行使通知書に焦点を当て、その役割、記載事項、注意点などを詳しく解説する。

株式共有議決権行使通知書とは

株式共有議決権行使通知書とは、共有者の一人が、他の共有者に対して、株主総会における議決権行使について、自らの意思を通知する書面である。会社法上、共有者間で議決権行使について別段の定めがない場合には、共有者は、その持分に応じて議決権を行使することができる（会社法217条）。しかし、実際には、共有者間で事前に協議し、議決権行使の方針を統一することが望ましい。株式共有議決権行使通知書は、このような共有者間の協議をスムーズに進めるために活用される。

株式共有議決権行使通知書の記載事項

株式共有議決権行使通知書には、一般的に以下の事項が記載される。

通知日

発行会社名

株主総会開催日

通知者（議決権を行使する共有者）の氏名及び住所

通知先（他の共有者）の氏名及び住所

共有株式数

議案の内容

議決権行使の内容（賛成、反対、棄権）

議決権行使の理由（任意）

特に重要なのは、議決権行使の内容である。議案に対して賛成、反対、棄権のいずれかの意思表示を行う。また、議決権行使の理由を記載することで、他の共有者に対して、自らの考えを明確に伝えることができる。

株式共有議決権行使通知書記載例

株式共有議決権行使通知書通知書記載例

以下は、株式共有議決権行使通知書の記載例である。

株式共有議決権行使通知書

令和[令和年]年[月]日

[発行会社名]株式会社 御中

下記のとおり、株式共有議決権行使につき通知いたします。

記

１．通知者

氏名：[通知者氏名]

住所：[通知者住所]

２．通知先

氏名：[通知先氏名]

住所：[通知先住所]

３．共有株式数

[共有株式数]株

４．株主総会開催日

令和[令和年]年[月]日

５．議案の内容

[議案番号] [議案名]

６．議決権行使の内容

[賛成・反対・棄権]

７．議決権行使の理由

[議決権行使の理由]

以上

株式共有議決権行使通知書の注意点

株式共有議決権行使通知書を作成する際には、以下の点に注意する必要がある。

通知先は、全ての共有者とすること。一部の共有者にのみ通知した場合、議決権行使が無効となる可能性がある。

通知は、株主総会開催日の合理的な期間前に行うこと。期間が短すぎると、他の共有者が対応できない可能性がある。

議決権行使の内容は、通知書に記載されたとおりに、誠実に行使すること。通知と異なる議決権行使を行った場合、他の共有者から損害賠償請求訴訟を起こされる可能性がある。

株式共有議決権行使通知書記載例

株式共有議決権行使通知書通知書記載例

上記はあくまでも一例であり、具体的な記載内容は、個々のケースに応じて異なる。そのため、事前に専門家である弁護士や司法書士に相談することを推奨する。

まとめ

株式共有議決権行使通知書は、共有者間の意思疎通を図り、議決権行使を円滑に行うために重要な役割を果たす。共有者として、その重要性を認識し、適切な対応を心がけたい。