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株式繰越損失の税務上の取扱いと所得への影響について

更新:2024-06-08 01:13:58読む:131

株式譲渡損失の税務と繰越控除

株式投資を行う上で、利益が出た場合はもちろんのこと、損失が出た場合の税金についても理解しておくことが重要です。特に、株式譲渡損失が発生した場合には、一定の要件を満たせば、将来の株式譲渡益と相殺して税負担を軽減できる「株式譲渡損失の繰越控除」という制度があります。本稿では、この制度について詳しく解説していきます。

株式譲渡損失とは

株式譲渡損失とは、株式を売却した際に、取得価額よりも売却価額が低かった場合に生じる損失のことです。例えば、1株1,000円で取得した株式を1株800円で売却した場合、1株あたり200円の損失が発生します。これが株式譲渡損失です。

株式譲渡損失の繰越控除

株式譲渡損失が発生した場合、一定の要件を満たせば、その損失額を「株式譲渡損失の繰越控除」として、将来3年間の株式譲渡益から控除することができます。この制度を利用することで、将来の税負担を軽減することができます。

株式譲渡損失の繰越控除の要件

株式譲渡損失の繰越控除を受けるためには、以下の要件を満たしている必要があります。

譲渡した株式が、上場株式等であること

譲渡損失が発生した年の確定申告において、株式譲渡損失の繰越控除の適用を選択していること

株式繰越損失所得に含まれるもの

株式譲渡損失の繰越控除の対象となる所得は、「株式繰越損失所得に含まれる」所得とされています。具体的には、以下の所得が該当します。

上場株式等の譲渡益

出資信託の受益証券の譲渡益

特定公社債等の譲渡益

これらの所得がある場合、株式譲渡損失の繰越控除を適用することで、税負担を軽減することができます。

株式譲渡損失の繰越控除の適用例

例えば、2023年に100万円の株式譲渡損失が発生し、2024年に50万円の株式譲渡益が発生した場合を考えます。この場合、2023年の確定申告において株式譲渡損失の繰越控除を選択していれば、2024年の株式譲渡益50万円から、2023年の株式譲渡損失のうち50万円を控除することができます。その結果、2024年の株式譲渡益に対する税負担はゼロとなります。

特定口座と一般口座

株式投資を行う口座には、「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。特定口座は、証券会社が投資家の代わりに年間取引報告書を作成してくれるため、確定申告が簡素化されるというメリットがあります。一方、一般口座は、投資家自身が年間取引報告書を作成する必要があります。

株式譲渡損失の繰越控除を受けるためには、特定口座または一般口座のいずれを利用している場合でも、確定申告を行う必要があります。特定口座を利用している場合は、証券会社から交付される年間取引報告書の内容に基づいて確定申告を行います。一般口座を利用している場合は、自身で年間取引報告書を作成し、確定申告を行う必要があります。

まとめ

株式譲渡損失が発生した場合には、「株式譲渡損失の繰越控除」という制度を利用することで、将来の税負担を軽減することができます。ただし、この制度を利用するためには、一定の要件を満たしている必要があります。株式投資を行う際には、これらの制度を理解しておくことが重要です。

なお、本稿は一般的な情報提供を目的としており、税務上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な税務処理については、税理士等の専門家にご相談ください。

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