トーモク株式会社木材加工技術革新展望

日本の木材業界を牽引するリーディングカンパニー：トーモク株式会社

日本の木材需要は、住宅着工戸数の減少や輸入材の増加などにより、減少傾向にあります。しかし、地球温暖化対策やSDGsへの関心の高まりから、木材は再び注目を集めています。木材は、鉄やコンクリートに比べて製造時のCO2排出量が少なく、再生可能な資源であることから、環境負荷の低い素材として期待されています。このような背景のもと、トーモク株式会社は、創業以来培ってきた技術力と革新的なアイデアで、日本の木材業界をリードしています。

国産材の活用と新たな価値創造への挑戦

トーモク株式会社は、国産材の活用に積極的に取り組んでいます。国産材は、日本の風土に育まれ、強度や耐久性に優れているという特徴があります。しかし、流通量の少なさや価格の高さなどから、十分に活用されているとは言えません。そこで、同社は、国産材を安定的に供給できる体制を構築するとともに、新たな価値を創造することで、国産材の需要拡大を目指しています。

技術力とデザイン力で差別化を図る製品開発

トーモク株式会社は、長年培ってきた木材加工技術と高いデザイン力を活かし、高品質で付加価値の高い製品を生み出しています。例えば、同社の主力製品である「集成材」は、薄い木材を接着して作ることで、強度や寸法安定性に優れた木材です。住宅の梁や柱、床材など、幅広い用途に使用されています。また、近年では、CLT（直交集成板）と呼ばれる、板状に加工した木材を直交させて重ねて接着した、強度と耐火性に優れた建材の開発にも力を入れています。CLTは、中高層建築物や大規模施設など、これまで木材の使用が難しかった分野への活用が期待されています。

地域社会との共存と持続可能な社会の実現に向けて

トーモク株式会社は、地域社会との共存と持続可能な社会の実現にも積極的に取り組んでいます。森林は、木材資源としての役割だけでなく、水源涵養や土壌保全、生物多様性の維持など、様々な機能を持っています。同社は、森林の適切な管理と利用を通じて、これらの機能を維持・向上させることが重要だと考えています。その一環として、間伐材や端材などの未利用材を有効活用したバイオマス発電事業にも取り組んでいます。木材を燃焼させて発電するバイオマス発電は、カーボンニュートラルなエネルギーとして注目されており、地球温暖化対策にも貢献しています。このように、トーモク株式会社は、木材の可能性を追求し、社会全体の課題解決に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指しています。