株式分割と遺産分割：協議書作成の実際と注意点

株式遺産分割協議書作成のポイント

株式は、企業の所有権を表す重要な財産です。相続において、株式の取り扱いを適切に行わなければ、後々、相続人間でトラブルが発生する可能性があります。そこで重要となるのが、相続人全員で遺産分割協議を行い、その内容を「株式遺産分割協議書」として書面に残すことです。本稿では、株式遺産分割協議書書き方のポイント、注意点について詳しく解説します。

1. 株式遺産分割協議書の必要性

株式遺産分割協議書は、相続が発生した場合に、相続人間で株式をどのように分割するかを取り決める重要な書類です。遺産分割協議は、口約束でも有効とされていますが、後々のトラブル防止のため、書面として残しておくことが強く推奨されます。特に、株式は評価額が変動しやすい財産であるため、明確な証拠を残しておくことが重要です。また、株式を相続した相続人が、株式を保有する会社の経営に参画する場合には、議決権の割合などが重要な問題となるため、事前にしっかりと協議しておく必要があります。

2. 記載事項

株式遺産分割協議書書き方においては、以下の項目を漏れなく記載することが重要です。

2.1 被相続人の情報

氏名、住所、生年月日、死亡日などの基本情報を正確に記載します。

2.2 相続人の情報

被相続人のすべての相続人について、氏名、住所、生年月日、被相続人との続柄を記載します。また、相続放棄を行う者がいる場合には、その旨も明記します。

2.3 株式の情報

分割対象となる株式の会社名、銘柄、株数、名義などを具体的に記載します。複数の株式を保有している場合には、それぞれの株式について記載する必要があります。

2.4 株式の評価額

相続税の申告においても重要となるのが、相続発生時の株式の評価額です。評価方法には、原則評価、類似会社比較法、純資産価額法など、いくつかの方法があります。「財産評価基本通達」などを参考に、適切な評価額を算出する必要があります。

2.5 株式の分割方法

相続人全員で協議し、分割方法を決定します。分割方法としては、特定の相続人がすべての株式を取得する「現物分割」、株式を売却して現金化する「換価分割」、一部を現物分割し、残りを換価分割する「混同分割」などがあります。それぞれのメリット、デメリットを考慮した上で、最適な方法を選択する必要があります。

2.6 議決権の扱い

株式を相続した相続人が、会社の経営に参画する場合には、議決権の割合が問題となります。議決権の配分についても、事前にしっかりと協議しておくことが大切です。

2.7 その他の合意事項

上記以外にも、相続人間で合意した事項があれば、具体的に記載しておきます。例えば、株式の名義変更手続き、株式に係る費用の負担などに関する取り決めを記載しておくことで、後々のトラブルを回避することができます。

2.8 作成日、署名・捺印

最後に、株式遺産分割協議書の作成日を記載し、相続人全員が署名・捺印します。実印で捺印することが望ましく、印鑑証明書を添付しておくと、より確実です。

3. 注意点

株式遺産分割協議書書き方における注意点は以下の点が挙げられます。

3.1 専門家のサポート

株式の評価や分割方法など、専門知識が必要となる部分も多いため、税理士や弁護士などの専門家に相談しながら作成することをおすすめします。

3.2 相続税の申告

株式を相続した場合には、相続税の申告が必要となる場合があります。申告期限内に適切な手続きを行うようにしましょう。

4. まとめ

株式の遺産分割は、後々のトラブルを避けるためにも、株式遺産分割協議書を作成しておくことが非常に重要です。ただし、記載事項や手続きが複雑な場合もあるため、専門家のサポートを受けながら、適切に進めていくようにしましょう。