未公開株相続対策における評価方法の留意点

株価相続：相続税対策の重要ポイント

近年、日本人の資産構成において、株式投資の割合が高まっています。それに伴い、相続が発生した際に、保有株式の評価額が相続税額に大きく影響を与えるケースが増加しています。株価相続は、相続税対策を考える上で避けては通れない重要なテーマと言えるでしょう。

株価相続の基礎知識

株価相続とは、被相続人が保有していた株式を相続人が相続することを指します。相続税法上、株式は相続開始日における取引価格（上場株式の場合）もしくは相続税評価額（非上場株式の場合）で評価されます。この評価額が相続税額を左右するため、適切な対策を講じておくことが重要となります。

株価相続における注意点

株価相続においては、以下の点に注意が必要です。

1. 相続税評価額の算定方法

上場株式の場合は原則として相続開始日の取引価格が評価額となります。一方、非上場株式の場合は、会社の規模や収益性などを考慮して算定される「相続税評価額」が適用されます。非上場株式の評価は複雑で、専門家の意見を聞くことが重要となる場合もあります。

2. 株式の納税猶予制度

相続税の納税が困難な場合、一定の要件を満たせば、相続税の納税を猶予する制度があります。株価相続においても、この納税猶予制度を利用できる場合があります。ただし、猶予期間中は株式の売却などが制限される場合もあるため、事前に制度の内容をよく理解しておく必要があります。

有効な株価相続対策

株価相続における相続税対策としては、以下のような方法が考えられます。

1. 生前贈与の活用

生前に株式を贈与することで、相続時の財産を減らし、相続税額を抑えることができます。ただし、贈与税の課税対象となる点には注意が必要です。年間110万円の基礎控除などを活用し、計画的に贈与を進めることが重要です。

2. 信託の活用

株式を信託財産とすることで、相続税評価額を抑えることができます。信託には様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがありますので、専門家と相談しながら適切なスキームを検討する必要があります。

3. 事業承継税制の活用

中小企業の経営者が、後継者に株式を承継する場合に、一定の要件を満たせば、相続税や贈与税の納税を猶予または免除する制度があります。株価相続と同時に事業承継も検討している場合は、この制度の活用を検討する価値があります。

株価相続は、相続税対策において重要なテーマです。相続税は複雑な制度であり、個々の状況によって最適な対策は異なります。専門家である税理士や弁護士に相談しながら、早めに対策を検討していくことをお勧めします。