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株式額面金額変更における企業価値と株価の相関分析

更新:2024-06-15 04:26:54読む:190

株式額面金額変更の目的と効果

企業が事業活動を行う上で、資金調達は不可欠です。資金調達には、大きく分けて debt finance と equity finance の2つがあります。debt finance は、銀行などから融資を受けることで資金を調達する方法ですが、equity finance は、株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。

equity finance のうち、新たに株式を発行して資金を調達することを増資と言います。増資には、様々な方法がありますが、その中でも一般的なのが、株式額面金額変更を伴う増資です。

株式額面金額変更とは

株式額面金額変更とは、読んで字の如く、株式の額面金額を変更することです。株式の額面金額とは、株式1株あたりの金額のことです。例えば、額面金額50円の株式を100株発行している場合、発行済株式の総額は5,000円となります。

この額面金額は、かつては会社の信用力を示す指標として重要な役割を果たしていました。しかし、現在では、株式の価値は市場で決定されることが多く、額面金額が実質的な意味を持つことは少なくなっています。

株式額面金額変更の目的

では、なぜ企業は株式額面金額変更を行うのでしょうか?その主な目的としては、以下の2点が挙げられます。

株式の流動性を高める

増資を円滑に行う

まず、株式の流動性を高めるという点について説明します。株式の流動性とは、株式が市場でどれだけ活発に売買されているかを表す指標です。流動性が高い株式は、投資家にとって売買しやすく、その結果、株価が上昇しやすくなる傾向があります。

一般的に、株式の価格が低いほど、投資家にとって購入しやすいと考えられています。そのため、株式額面金額変更によって額面金額を下げ、1株あたりの価格を低くすることで、より多くの投資家が株式を購入しやすくなり、株式の流動性が高まると期待されます。

次に、増資を円滑に行うという点について説明します。企業が新たに株式を発行して資金を調達する場合、一般的に、既存の株主に対して、新株予約権を割り当てる形で増資を行います。新株予約権とは、一定期間内に、あらかじめ決められた価格で新株を取得できる権利のことです。

この時、新株の発行価格が現在の株価よりも低い場合、既存の株主は、市場で購入するよりも有利な価格で株式を取得できるため、積極的に新株予約権を行使すると考えられます。

しかし、新株の発行価格が額面金額を下回ることはできません。そのため、株式額面金額変更によってあらかじめ額面金額を下げておくことで、増資の際に、新株の発行価格をより柔軟に設定することができるようになり、増資を円滑に行うことができると考えられています。

株式額面金額変更の手続き

株式額面金額変更

株式額面金額変更を行うためには、株主総会において、特別決議による承認を得る必要があります。また、変更後の額面金額などを記載した定款変更の登記を行う必要があります。

まとめ

株式額面金額変更は、株式の流動性を高め、増資を円滑に行うために有効な手段となりえます。ただし、株式額面金額変更は、あくまで手段の1つに過ぎません。企業は、自社の置かれている状況や今後の事業展開などを踏まえ、株式額面金額変更を行うかどうか、慎重に判断する必要があります。

株式額面金額変更

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