事業分離基準改正対価株式関連会社になる

事業分離基準改正に伴う対価株式関連会社

事業分離基準改正の背景

近年、企業を取り巻く環境は急速に変化しており、事業の再編や統合が活発に行われています。このような中、企業会計基準委員会（ASBJ）は、事業分離基準（ASBJ 企業結合会計基準第15号）を改正し、事業分離に伴う対価株式の会計処理を明確化しました。

事業分離基準改正のポイント

事業分離基準改正の主なポイントは、以下のとおりです。

事業分離基準改正対価株式関連会社の定義を明確化

事業分離基準改正対価株式関連会社の会計処理を規定

事業分離に伴う対価株式の評価方法を規定

事業分離基準改正対価株式関連会社の定義

事業分離基準改正対価株式関連会社とは、事業分離により取得した株式で、以下の要件を満たすものをいいます。

事業分離の対価として取得した株式であること

取得した株式が、分離された事業の親会社または支配株主であること

取得した株式が、取得後も引き続き親会社または支配株主であることが合理的に予想されること

事業分離基準改正対価株式関連会社の会計処理

事業分離基準改正対価株式関連会社の会計処理は、以下のとおりです。

取得時に、取得価額で資産計上

取得後、連結対象会社として連結会計の対象とする

取得後、連結対象会社から配当金を受け取った場合は、投資利益として損益計算書に計上

事業分離に伴う対価株式の評価方法

事業分離に伴う対価株式の評価方法は、以下のとおりです。

分離された事業の純資産価額

分離された事業の将来キャッシュフローの現在価値

市場価格

評価方法は、個々のケースに応じて最も適切な方法を選択することになります。

事業分離基準改正の影響

事業分離基準改正は、事業分離に伴う対価株式の会計処理に大きな影響を与えます。改正前は、対価株式は取得価額で資産計上され、その後、市場価格との差額が損益計算書に計上されていました。改正後は、事業分離基準改正対価株式関連会社は連結対象会社として連結会計の対象となり、取得後も引き続き親会社または支配株主であることが合理的に予想される限り、市場価格との差額は損益計算書に計上されません。

この改正により、事業分離に伴う対価株式の会計処理がより実態に即したものとなり、企業の財務諸表の透明性と信頼性が向上することが期待されています。