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株式相続人がいない場合の遺産の帰属と手続きの概説

更新:2024-06-08 01:24:05読む:198

株式相続人がいない場合の相続財産法人への株式の帰属

会社の代表取締役が死亡し、株式相続人がいない場合、その所有する会社の株式はどうなるのでしょうか。民法では、相続人がいない場合、その財産は国庫に帰属するとされています(民法959条)。これは、株式などの財産についても同様です。つまり、株式相続人がいない場合、その株式は最終的には国庫に帰属することになります。

相続財産法人による承継

しかし、会社経営の継続性を考えると、会社の株式が国庫に帰属してしまうことは、会社にとって大きな痛手となる可能性があります。そこで、このような事態を避けるために、会社法は「相続財産法人」という制度を設けています(会社法342条)。

相続財産法人とは、株式相続人がいない場合に、その株式を承継するために設立される特別な法人です。この制度を利用することで、会社の株式が国庫に帰属することを防ぎ、会社経営の継続性を図ることができます。

相続財産法人の設立手続き

相続財産法人を設立するためには、以下の手続きが必要となります。

裁判所への相続財産管理人の選任申立て

相続財産管理人による相続財産法人設立の申立て

裁判所による相続財産法人設立の許可

相続財産法人の設立登記

株式相続人がいない

これらの手続きは、専門的な知識が必要となるため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

遺言による指定

また、会社経営者が生前に遺言を作成し、株式相続人がいない場合に備えて、特定の者に株式を相続させる旨を指定しておくことも可能です。この場合、遺言の内容に従って株式が承継されます。

遺言によって株式を承継させる場合、会社の定款で株式の譲渡制限が設けられている場合には、その制限に抵触しないよう注意が必要です。定款の規定によっては、株主総会の承認を得る必要がある場合もあります。

従業員への株式承継

近年、株式相続人がいない場合に、従業員に株式を承継させるケースが増えています。これは、従業員に会社への貢献に対する報酬として株式を付与することで、従業員のモチベーション向上や人材確保につなげる狙いがあります。

従業員に株式を承継させる方法としては、従業員持株会を利用する方法や、株式報酬制度を導入する方法などがあります。これらの制度を導入する際には、専門家のアドバイスを受けながら、自社にとって最適な方法を検討する必要があります。

株式承継問題の重要性

株式相続人がいない場合の株式の帰属問題は、会社の将来を左右する重要な問題です。会社経営者は、生前に自身の相続についてしっかりと考え、適切な対策を講じておくことが重要です。具体的には、遺言の作成、相続財産法人制度の利用、従業員への株式承継などを検討し、専門家のアドバイスを受けながら、自社にとって最適な方法を選択することが大切です。

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