額面株式廃止定款の法的性質

額面株式廃止定款とは

額面株式廃止定款とは、株式会社の定款において、株式の額面金額を廃止する定款のことです。額面金額とは、株式の発行価額のことで、株式の価値の基準となります。額面株式廃止定款により、株式の額面金額が廃止されると、株式の価値は市場価格によって決定されるようになります。

額面株式廃止定款のメリット

額面株式廃止定款には、以下のようなメリットがあります。

株式の流動性の向上：額面金額が廃止されると、株式の発行価額が市場価格に近づき、株式の流動性が向上します。

資金調達の柔軟性の向上：額面金額が廃止されると、企業は市場価格に応じて株式を発行できるようになり、資金調達の柔軟性が向上します。

株式分割の簡便化：額面金額が廃止されると、株式分割が容易になり、株式の流通量が増加します。

額面株式廃止定款のデメリット

額面株式廃止定款には、以下のようなデメリットもあります。

株式価値の変動リスク：額面金額が廃止されると、株式の価値が市場価格によって決定されるため、株式価値の変動リスクが高まります。

投資家の保護の低下：額面金額が廃止されると、投資家は株式の価値を判断する基準を失うため、投資家の保護が低下する可能性があります。

額面株式廃止定款の導入手順

額面株式廃止定款を導入するには、以下の手順が必要です。

株主総会で額面株式廃止定款の承認を得る。

定款変更の登記を行う。

株式の額面金額を廃止する。

額面株式廃止定款の注意点

額面株式廃止定款を導入する際には、以下の点に注意が必要です。

額面株式廃止定款の導入は、株主総会の特別決議が必要です。

額面株式廃止定款の導入により、株式の価値が変動する可能性があります。

額面株式廃止定款の導入は、投資家の保護に影響を与える可能性があります。

額面株式廃止定款の動向

近年、額面株式廃止定款を導入する企業が増加しています。これは、株式の流動性向上や資金調達の柔軟性向上を求める企業が増えていることが背景にあります。また、東京証券取引所も額面株式廃止定款の導入を推奨しており、今後さらに導入企業が増加することが予想されます。

結論

額面株式廃止定款は、株式の流動性向上や資金調達の柔軟性向上などのメリットがありますが、株式価値の変動リスクや投資家の保護の低下などのデメリットもあります。額面株式廃止定款を導入する際には、メリットとデメリットを慎重に検討することが重要です。