ホームページ > 株式市場

フェローテック株価下落

更新:2024-06-30 12:29:12読む:136

フェローテック株価下落、半導体市況悪化が響く

パワー半導体関連企業として知られるフェローテックホールディングスの株価が大幅に下落した。本日10日の東京証券取引所では、一時前日比10%を超える下落となり、年初からの下落率は30%を超えている。フェローテック株価下落の背景には、世界的な半導体市況の悪化が挙げられる。

世界的な需要減退が直撃

フェローテックは、スマートフォンや電気自動車などに使用されるパワー半導体の製造装置を主力製品としている。近年は、脱炭素化の流れや電気自動車の普及を背景に、パワー半導体の需要は急拡大していた。しかし、世界的なインフレや景気減速懸念の高まりから、スマートフォンやパソコンなどの需要が減速。その影響はパワー半導体市場にも波及し、フェローテックの業績に影を落としている。

受注減少し業績下方修正の可能性も

フェローテックは、8月3日に発表した2023年4-6月期決算で、売上高は前年同期比4.6%減の378億円、営業利益は同66.8%減の32億円と大幅な減益を計上した。世界的なインフレや金融引き締めによる景気減速懸念から、顧客である半導体メーカーの設備投資意欲が減退。パワー半導体関連装置の受注が減少し、業績を押し下げた。今後の業績見通しについて、同社は「現時点では合理的に算定することが困難」として、2024年3月期の業績予想を未定としている。市場の一部からは、業績の下方修正の可能性も指摘されている。

先行きの不透明感拭えず、フェローテック株価下落

フェローテックの株価下落は、半導体市況の悪化が短期的に収束する見通しが立っていないことを反映している。世界的なインフレや景気減速懸念のほか、米中対立によるサプライチェーンの混乱など、先行き不透明な要素は多い。半導体市況の回復には、世界経済の動向や米中関係の改善など、外部環境の好転が不可欠となる。

ただし、フェローテックの事業は長期的な成長が見込まれるパワー半導体関連分野に強みを持っている。脱炭素化の流れや電気自動車の普及は今後も続くと予想されており、パワー半導体の需要拡大は中長期的に続くと見られている。フェローテックは、パワー半導体製造装置で世界トップクラスのシェアを誇っており、今後の市況回復に伴い、業績の持ち直しも期待される。現在の株価下落は、長期的な視点で見た場合、投資の好機となる可能性も秘めていると言えるだろう。

フェローテック

Tagsカテゴリ