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総合課税制度における株式譲渡所得の計算:平成29年改正ポイント解説

更新:2024-06-15 03:46:03読む:194

総合課税株式平成29の基礎知識

総合課税株式平成29とは

総合課税株式平成29とは、2017年(平成29年)の改正所得税法によって創設された、上場株式等を対象とする新たな課税制度です。従来、上場株式等の譲渡益は分離課税の対象でしたが、総合課税株式平成29はこれらの譲渡益を総合課税の対象としました。

税率と課税対象

総合課税株式平成29の税率は、譲渡益が50万円を超える部分に対して20.315%(所得税15%、復興特別所得税5.315%)が課されます。課税対象となる上場株式等は、以下の要件を満たすものです。

東証一部、二部に上場している株式

東証マザーズなど新興市場に上場している株式

JASDAQ(日本証券業協会店頭市場)に株式を公開している企業の株式

譲渡益の計算方法

総合課税株式平成29における譲渡益は、譲渡対価から取得費と譲渡費用を差し引いた金額とされています。譲渡対価は、株式を売却したときの収入金額を指し、取得費は株式を取得したときの価額を指します。譲渡費用には、株式の売買手数料や譲渡税などが含まれます。

適用除外

特定の要件を満たす株式等には、総合課税株式平成29が適用されません。主な適用除外は以下のとおりです。

取得から5年を経過した株式

総合課税株式平成29

少額譲渡益(譲渡益が50万円以下)

損失が出た株式

特定の信託財産に含まれる株式

総合課税株式平成29のメリットとデメリット

メリット

株式投資の収益に対する税率が軽減される(分離課税の20%から総合課税の20.315%に軽減)

譲渡損失の繰越控除枠が拡大される(3年間から7年間に拡大)

確定申告の簡略化(分離課税と総合課税の申告を一本化できる)

デメリット

株式投資の収益に対する課税タイミングが前倒しされる(譲渡後翌年に課税される)

取得費の特定が困難な場合がある(取得時期が異なる複数の株式を保有している場合など)

総合課税株式平成29の留意点

総合課税株式平成29は、株式を取得した時期によって適用除外規定が異なります。取得した時期を確認することが重要です。

株式の譲渡による損失については、他の所得と損益通算できません。譲渡損失は、7年間に限り翌年以降の譲渡益と損益通算できます。

総合課税株式平成29が適用される株式を信託財産に組み入れた場合、信託財産からの分配金は総合課税の対象となります。

総合課税株式平成29の今後の展望

総合課税株式平成29は、株式投資の活性化と税収の確保という両方の目的を達成することを目指して導入されました。今後は、制度の運用状況を踏まえて、さらなる改正や見直しが検討される可能性があります。

総合課税株式平成29の関連法令

所得税法第56条の2第1項

所得税法第63条第1項第7号

所得税法第65条第2項第9号

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