株式薄まる

株式の希薄化とは

株式投資において、投資家は企業の将来性を見込んで資金を投じます。その見返りとして、企業の利益の一部を受け取ったり（配当）、株価の上昇による売却益を得たりすることができます。しかし、投資家が期待するリターンは、企業が新たに株式を発行することによって、目減りしてしまう可能性があります。これを「株式薄まる」と言います。

株式が希薄化するケース

株式薄まるは、企業が資金調達やM&Aなど、様々な場面で起こり得ます。例えば、企業が事業拡大のために新たに株式を発行する場合、既存株主の持ち株比率は低下します。これは、発行済株式総数が増加する一方で、既存株主の保有株式数は変わらないためです。新たに発行された株式が既存株主の手元に渡らない限り、持ち株比率は必ず低下します。これが株式の希薄化です。

株式の希薄化は、企業の成長にとって必ずしも悪いものではありません。資金調達によって企業が成長し、将来的に企業価値や株価が上昇すれば、一時的な持ち株比率の低下は相殺され、投資家にとってプラスになる可能性もあります。しかし、企業が調達した資金を有効活用できず、業績が低迷した場合には、持ち株比率の低下によって投資家のリターンは目減りしてしまいます。

株式の希薄化の影響

株式薄まるは、主に以下の3つの影響を投資家に与えます。

一株当たり利益（EPS）の低下

議決権の低下

株価の低下

企業が新たに株式を発行すると、発行済株式総数が増加するため、一株当たり利益（EPS）は低下します。また、持ち株比率の低下は、株主総会における議決権の低下にもつながります。さらに、株式の希薄化は、市場における株式の需給バランスを崩し、株価の低下を招く可能性もあります。

株式の希薄化への対策

投資家は、株式投資を行う前に、企業の財務状況や資金調達の状況を把握し、株式薄まるリスクを評価する必要があります。特に、成長段階にある企業や、財務状況が不安定な企業に投資する際には注意が必要です。これらの企業は、資金調達のために株式発行を頻繁に行う可能性が高いためです。

株式の希薄化リスクを回避するためには、以下の方法が考えられます。

株式の希薄化が少ない企業に投資する

株式の希薄化を考慮した上で、投資判断を行う

株主優待制度を利用する

株式の希薄化は、投資家にとって無視できないリスクです。しかし、事前にリスクを理解し、適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。