2016年株価における市場トレンド分析

2016年の株式市場を振り返る

2016年株価は、年初から波乱の展開となった。年明け早々に中国経済の減速懸念から世界同時株安が発生し、日経平均株価は一時1万5000円台まで下落した。その後、原油価格の持ち直しや日銀によるマイナス金利政策の導入などを受けて持ち直す場面も見られたが、英国のEU離脱決定や米国大統領選挙など、世界経済の先行き不透明感を背景に、年間を通して大きく上昇することはなかった。

外部要因が大きく影響した一年

2016年株価を振り返ると、中国経済の減速懸念、原油価格の乱高下、英国のEU離脱決定、米国大統領選挙など、外部要因が大きく影響した一年であったと言えるだろう。特に、英国のEU離脱決定と米国大統領選挙の結果は、世界経済の先行き不透明感を増大させ、投資家心理を冷え込ませた。

個別銘柄では好業績企業に注目が集まる

このような外部環境の不透明感から、投資家の間ではリスク回避の動きが広がり、全体としては低調な動きとなった2016年株価であったが、個別銘柄に目を向けると、好業績を背景に株価が上昇した企業も少なくなかった。特に、円安メリットを享受できる輸出関連企業や、訪日外国人観光客の増加による恩恵を受けるインバウンド関連企業などには、積極的な買いが集まった。

今後の株式市場の見通し

2017年以降の株式市場の見通しについては、世界経済の先行き不透明感が払拭されたわけではないため、引き続き予断を許さない状況が続くことが予想される。しかし、米国経済は堅調な成長が続いており、日本経済も政府による経済対策の効果などから緩やかな回復基調をたどることが期待される。また、企業業績も緩やかながら改善傾向にあり、株価の上昇を支える要因となる可能性もある。

投資のポイント

今後の株式投資においては、世界経済や企業業績に関する情報を収集し、冷静な判断を下すことが重要となるだろう。特に、外部環境の変化に影響を受けやすい業種や企業への投資は、慎重に進める必要がある。一方、世界経済の成長を取り込み、中長期的に安定した収益が見込める企業への投資は、引き続き有効な戦略と言えるだろう。