新光電機における半導体技術の展開

日本の産業を支える新光電機株式会社

新光電機株式会社は、1916年の創業以来、一世紀以上にわたり日本の産業界を支えてきた総合電機メーカーである。その歴史は、日本の電気の歴史と重なり、常に時代の最先端技術で社会の発展に貢献してきた。

創業期から高度経済成長期：日本の電化を牽引

1916年、創業者の遠藤胤治氏は、大阪市西区に遠藤製作所を設立。当初は電灯のソケットやスイッチの製造を手掛け、その後、配電盤や制御盤などへと事業を拡大していった。戦後、社名を新光電機株式会社と改め、高度経済成長期には、電力会社や鉄鋼、化学プラントなど、日本の基幹産業の発展を支える電気設備を数多く納入した。特に、発電所向けの大型変圧器や遮断機は高い評価を得て、国内トップクラスのシェアを獲得するまでになった。

省エネルギー時代への対応：エレクトロニクス技術で未来を切り拓く

1970年代のオイルショック以降、省エネルギーが叫ばれる時代になると、新光電機株式会社はいち早くエレクトロニクス技術を導入。従来の電気機器に電子制御を取り入れることで、省エネ化や高機能化を実現した。例えば、インベータ（可変速駆動装置）は、モータの回転数を自在に制御することで、省エネだけでなく、生産性の向上にも大きく貢献した。さらに、工場の自動化システムやビル管理システムなど、システム全体の設計・構築を請け負う事業にも進出し、その技術力は、国内外から高く評価されている。

環境問題への取り組み：持続可能な社会の実現に向けて

近年、地球温暖化などの環境問題が深刻化する中、新光電機株式会社は、環境経営を経営の最重要課題の一つと位置づけ、積極的に取り組んでいる。太陽光発電システムや風力発電システムなど、再生可能エネルギー関連事業にも注力し、持続可能な社会の実現に貢献している。また、工場やオフィスでの省エネ活動にも積極的に取り組み、CO2排出量の削減にも成果を上げている。

グローバル展開：世界の人々の豊かな暮らしに貢献

新光電機株式会社は、早くから海外市場にも目を向け、現在では世界中に拠点を構えるグローバル企業へと成長を遂げている。アジアを中心とした新興国では、電力インフラの整備が急務となっており、同社の技術やノウハウは、これらの国々の経済発展にも大きく貢献している。また、世界各地のニーズに合わせた製品開発にも力を入れており、グローバル企業としての存在感を高めている。

人材育成：技術革新を支える「人」を育てる

新光電機株式会社は、「人」こそが最大の財産であるという信念のもと、人材育成に力を入れている。新入社員研修はもちろんのこと、社員一人ひとりの能力開発を支援する階層別研修、専門分野を深めるための技術研修など、様々な研修制度が充実している。また、海外勤務や海外研修の機会も積極的に設け、グローバルに活躍できる人材の育成にも力を入れている。