原始取得株式

原始取得株式：会社設立と新株発行を中心とした考察

原始取得株式とは、会社から新たに発行される株式を取得することを指し、株式譲渡による取得である「取得取得株式」と対比される概念です。本稿では、原始取得株式の中でも、特に会社設立時における取得と、新株発行による取得について詳しく解説していく。

1. 会社設立時における原始取得株式

会社を設立する際には、発起人が定款を作成し、その中に記載された発行価額で株式を引き受ける必要があります。この株式の引き受けによって発起人は株主となり、会社は資本金を得ることになります。これが会社設立時における原始取得株式です。

会社法上、株式会社を設立するためには、少なくとも1株以上の株式発行が必要です。設立時の株式発行数は、事業計画や資金調達の必要性などを考慮して決定されます。また、設立時の株主は、発起人に限定されず、第三者も株主となることができます。

会社設立時における原始取得株式のポイントは、以下の点が挙げられます。

発起人は、引き受けた株式の発行価額全額を払い込む義務がある

株式の発行価額は、1株あたり1円以上であれば自由に設定できる

設立時の株主構成は、その後の会社の経営に大きな影響を与えるため、慎重に検討する必要がある

2. 新株発行による原始取得株式

会社設立後も、会社は事業拡大や資金調達のために、新たに株式を発行することができます。これを新株発行といい、新株発行によって発行される株式を取得することを、新株発行による原始取得株式といいます。

新株発行には、株主総会の決議が必要となる場合と、取締役会の決議のみで足りる場合があります。また、新株発行による株式の発行価額は、原則として、既存の株主が保有する株式の市場価格を参考に決定されます。

新株発行による原始取得株式のポイントは、以下の点が挙げられます。

新株発行は、既存の株主の株式価値を希薄化する可能性があるため、慎重に検討する必要がある

新株発行によって得られた資金は、会社の成長のために有効活用する必要がある

新株発行は、会社の支配構造に影響を与える可能性がある

3. 原始取得株式と取得取得株式の違い

原始取得株式と取得取得株式の大きな違いは、株式の発行主体です。原始取得株式は会社が新たに発行する株式を取得するのに対し、取得取得株式は既に発行されている株式を、他の株主から譲り受けることで取得します。

また、原始取得株式は、会社に新たな資金が流入する一方で、取得取得株式は、会社に新たな資金は流入しません。さらに、原始取得株式は、会社の支配構造に影響を与える可能性がある一方で、取得取得株式は、会社の支配構造に直接的な影響を与えません。

4. 原始取得株式の法的性質

原始取得株式は、会社法上、株主となるための重要な要素です。会社は、原始取得株式の発行を通じて資本金を調達し、事業活動を行います。一方、株主は、原始取得株式を取得することで、会社の議決権や剰余金の配当を受ける権利を取得します。

原始取得株式の発行や取得に関するルールは、会社法や関連法令によって厳格に定められています。これは、会社の健全な発展と株主の保護を図るためです。そのため、原始取得株式に関する取引を行う際には、事前に専門家のアドバイスを受けるなど、法令遵守を徹底する必要があります。