同族会社株式相続放棄

同族会社株式相続放棄の意義と手続

同族会社とは、経営者とその家族が株式を保有し、経営を支配している会社のことです。同族会社では、経営者の死亡により株式が相続されることがありますが、相続人が経営に関わる意思がない場合や、経営能力がない場合などに、同族会社株式相続放棄をすることがあります。

同族会社株式相続放棄の意義

同族会社株式相続放棄とは、相続人が同族会社の株式を相続することを放棄する行為です。これにより、相続人は株式の権利や義務を負わなくなります。

同族会社株式相続放棄をする主な意義は次のとおりです。

経営に関わる意思がない場合や、経営能力がない場合に、会社経営に悪影響を与えることを防ぐことができます。

相続税の節税対策として利用できます。株式を放棄することで、相続財産の価額が減少し、相続税が軽減されます。

相続人間での争いを避けることができます。株式を放棄することで、相続財産をめぐる争いを未然に防ぐことができます。

同族会社株式相続放棄の手続

同族会社株式相続放棄の手続は、以下のとおりです。

1. 相続人が相続放棄の意思表示をする

2. 相続放棄の申述書を作成する

3. 相続放棄の申述書を家庭裁判所に提出する

4. 家庭裁判所が相続放棄を許可する

相続放棄の申述書には、相続人の氏名、住所、相続放棄する株式の数量、相続放棄の理由などを記載します。相続放棄の申述書は、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に提出する必要があります。

家庭裁判所が相続放棄を許可すると、相続人は株式の権利や義務を負わなくなります。相続放棄は、相続開始後であっても、相続財産の分割前であればいつでもすることができます。

同族会社株式相続放棄の注意点

同族会社株式相続放棄をする際には、以下の点に注意が必要です。

相続放棄は、一度行うと取り消すことができません。

相続放棄をした相続人は、株式の権利だけでなく、株式に付随する権利（配当金を受け取る権利など）も失います。

相続放棄をした相続人は、株式の放棄により生じた損害について責任を負いません。

相続放棄をした相続人は、相続財産から株式の価額相当額を他の相続人に返還する必要があります。

同族会社株式相続放棄は、経営者の死亡により株式が相続された場合に検討すべき重要な選択肢です。相続人が経営に関わる意思がない場合や、経営能力がない場合は、同族会社株式相続放棄をすることで、会社経営に悪影響を与えることを防ぎ、相続税の節税対策にもなります。ただし、相続放棄には一定の注意点があるため、専門家に相談して慎重に検討することが重要です。