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株式取得条項に基づく少数株主保護

更新:2024-06-08 03:18:04読む:74

株式取得条項の概要

株式取得条項とは、契約当事者の一方が、相手方が保有する株式を取得する権利を定めた条項です。M&Aやジョイントベンチャー契約など、企業間取引において幅広く利用されています。本稿では、株式取得条項の定義、種類、メリット・デメリット、法的留意点などを詳しく解説します。

1. 株式取得条項の定義と種類

株式取得条項は、契約上、特定の条件が満たされた場合に、一方当事者が相手方当事者の株式を取得する権利を規定するものです。これにより、将来的な株式の移動をあらかじめ定めることができます。主な種類としては、以下の3つが挙げられます。

株式取得条項

1.1 コールオプション

コールオプションは、オプション権者である一方当事者が、相手方当事者に対して、あらかじめ定められた価格で株式を買い取る権利を有するものです。オプション権者は、権利行使期間内に、市場価格が有利な場合に限り、権利を行使することができます。

1.2 プットオプション

プットオプションは、オプション権者である一方当事者が、相手方当事者に対して、あらかじめ定められた価格で株式を売却する権利を有するものです。オプション権者は、権利行使期間内に、市場価格が不利な場合に限り、権利を行使することができます。

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1.3 ドラッグアロング条項

ドラッグアロング条項は、特定の株主が株式を第三者に売却する場合、他の株主も同一条件で株式を売却しなければならないという条項です。これにより、特定の株主だけが有利な条件で株式を売却することを防ぎ、他の株主の利益を保護することができます。

2. 株式取得条項のメリット・デメリット

株式取得条項は、契約当事者双方にとってメリットとデメリットがあります。

2.1 メリット

株式取得条項を設けるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

将来的な株式の移動をあらかじめ定めることで、事業の安定化を図ることができる。

契約当事者間の交渉を円滑に進めることができる。

将来的な紛争リスクを軽減することができる。

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2.2 デメリット

一方、デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

契約締結時に将来の状況を予測することが難しく、不利な条件で株式を取得・売却してしまう可能性がある。

条項の内容が複雑になりやすく、専門的な知識が必要となる場合がある。

3. 株式取得条項の法的留意点

株式取得条項を定める際には、以下の点に注意する必要があります。

株式の評価方法、取得価格、権利行使期間などを明確に定めること。

会社法などの関連法令に違反しない内容とすること。

専門家のアドバイスを受けるなどして、法的リスクを十分に検討すること。

4. 株式取得条項の事例

例えば、ベンチャー企業A社が、事業拡大のための資金調達を目的として、投資ファンドB社から出資を受けるケースを考えます。この際、A社とB社との間で、B社が一定期間後にA社の株式を取得できる株式取得条項を締結することがあります。

この場合、B社は、A社の事業が順調に成長した場合、あらかじめ定められた価格でA社の株式を取得し、投資利益を得ることができます。一方、A社は、B社からの出資を受けることで、事業拡大に必要な資金を調達することができます。

5. まとめ

株式取得条項は、企業間取引において非常に重要な役割を果たすものです。契約当事者は、メリット・デメリット、法的留意点を十分に理解した上で、適切な条項を定める必要があります。

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