株式担保質権の法的性質

株式担保質権とは

株式担保質権とは、株式を担保として設定する質権のことです。質権とは、債務者が債務を履行しない場合に、債権者が担保物権を処分して債権を回収できる権利のことです。

株式担保質権の特徴

株式担保質権には、以下のような特徴があります。

担保物権は株式であること

債務者が債務を履行しない場合に、債権者が株式を処分して債権を回収できること

株式担保質権は、株式の所有権を移転するものではないこと

株式担保質権は、株式の譲渡や担保権の譲渡を制限できること

株式担保質権の設定方法

株式担保質権を設定するには、以下の手順が必要です。

債務者と債権者の間で、株式担保質権設定契約を締結する

株式担保質権設定契約を公証人の認証を受ける

株式担保質権設定契約を登記所に登記する

株式担保質権の効力

株式担保質権が設定されると、以下の効力が発生します。

債務者が債務を履行しない場合に、債権者は株式を処分して債権を回収できる

株式担保質権は、株式の譲渡や担保権の譲渡を制限できる

株式担保質権は、株式の果実（配当金など）を債権者に帰属させることができる

株式担保質権の消滅

株式担保質権は、以下の場合に消滅します。

債務が履行された場合

株式担保質権設定契約が解除された場合

株式担保質権が放棄された場合

株式担保質権が時効によって消滅した場合

株式担保質権の注意点

株式担保質権を設定する際には、以下の点に注意が必要です。

株式担保質権は、株式の価値が変動するリスクがある

株式担保質権は、株式の譲渡や担保権の譲渡を制限するため、株式の流動性が低下する可能性がある

株式担保質権は、株式の果実を債権者に帰属させるため、債務者の利益が損なわれる可能性がある

株式担保質権の活用

株式担保質権は、以下のような場合に活用できます。

企業が資金調達を行う場合

個人投資家が株式を担保に融資を受ける場合

株式の譲渡や担保権の譲渡を制限する場合

株式担保質権の類似制度

株式担保質権には、以下のような類似制度があります。

動産担保質権

不動産担保質権

債権担保質権