株式株券相続放棄

株式の相続と株式株券相続放棄

人が亡くなると、その人が所有していた財産は相続人へと引き継がれます。これは預貯金や不動産だけでなく、株式などの有価証券も同様です。被相続人が株式を保有していた場合、相続人はその株式を相続するか、それとも株式株券相続放棄をするかを選択することになります。

株式を相続する場合の注意点

株式を相続する場合、いくつかの注意点があります。まず、株式には銘柄ごとに異なる株価変動リスクが存在することを理解しておく必要があります。業績が悪化した企業の株式は、価値が大きく下落する可能性があります。また、株式を相続することで、企業の経営に関与する権利と義務が生じる場合もあります。特に、被相続人が非公開会社の株式を保有していた場合、相続人はその会社の経営に深く関わる可能性があります。

株式の評価と納税

株式を相続する場合、相続税の課税対象となります。相続税の計算では、相続開始時の株式の評価額が基準となります。上場株式であれば、相続開始日における取引価格をもとに評価額が算定されます。一方、非上場株式の場合は、企業の収益力や資産価値などを考慮して評価額が算定されます。相続税の納税は、相続人にとって大きな負担となる可能性があります。特に、多額の株式を相続した場合、納税資金の確保が課題となるケースも少なくありません。

株式株券相続放棄を選択する場合

株式の相続には、上記のようなリスクや負担が伴います。そのため、相続人にとって株式の相続が最適な選択とは限りません。株式の相続に不安を感じたり、相続税の納税が困難な場合は、株式株券相続放棄という選択肢があります。

株式株券相続放棄の手続き

株式株券相続放棄をするためには、家庭裁判所に対して相続放棄申述書を提出する必要があります。相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に行わなければなりません。ただし、相続財産の状況が複雑な場合など、3ヶ月以内でも相続放棄が認められる場合があります。

株式株券相続放棄の効果

株式株券相続放棄が認められると、相続人ははじめから相続人ではなかったものとみなされます。つまり、株式の所有権や経営への関与、相続税の納税義務などから完全に解放されます。ただし、一度株式株券相続放棄をすると、後から取り消すことはできません。

株式の相続に関する専門家への相談

株式の相続は、複雑な手続きや税金に関する知識が必要となる場合があり、専門家への相談が有効です。弁護士や税理士などの専門家は、相続に関する豊富な知識と経験に基づいて、適切なアドバイスを提供してくれます。株式の相続についてお悩みの方は、一人で抱え込まずに、専門家に相談することをおすすめします。