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株式譲渡制限会社におけるみなし取得条項の考察

更新:2024-06-08 01:06:18読む:129

株式譲渡制限みなし制度の概要

日本の会社法において、株式譲渡の自由は原則として認められています。しかし、中小企業などにおいては、株主の構成を一定範囲に限定することで、経営の安定化や企業秘密の保護などを図りたいというニーズがあります。そこで、会社法は、一定の要件を満たす会社について、定款に別段の定めがない場合でも、株式の譲渡に取締役会の承認を要する旨の規定(譲渡制限規定)があるものとみなす制度を設けています。これを株式譲渡制限みなし制度といいます。

株式譲渡制限みなしの要件

株式譲渡制限みなしが適用されるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

株式会社であること

公開会社でないこと

株式譲渡制限みなし

定款に譲渡制限規定がないこと

上記3つの要件を満たす会社は、自動的に株式譲渡制限みなしの対象となり、株式を譲渡する際には取締役会の承認が必要となります。

株式譲渡制限みなしのメリット・デメリット

メリット

株式譲渡制限みなしのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

経営の安定化:株主の構成が大きく変動することを防ぎ、経営の安定化を図ることができます。

企業秘密の保護:外部への株式譲渡を制限することで、企業秘密の漏洩リスクを低減できます。

経営者の経営権の保護:経営者は、株式の譲渡を制限することで、経営権を安定的に維持することができます。

デメリット

一方、株式譲渡制限みなしのデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

資金調達の制約:株式譲渡が制限されることで、株式発行による資金調達が困難になる可能性があります。

株式譲渡制限みなし

株主の権利の制限:株主は、自由に株式を譲渡する権利が制限されます。

M&Aの阻害要因:株式譲渡が制限されることで、M&Aによる事業再編などが困難になる可能性があります。

株式譲渡制限みなしの適用除外

株式譲渡制限みなしは、一定の場合には適用が除外されます。主な適用除外事由としては、以下のようなものがあります。

相続や合併による株式の取得

会社分割による株式の承継

株式譲渡制限みなし

株主が会社である場合の一定の株式譲渡

これらの適用除外事由に該当する場合には、株式譲渡制限みなしは適用されず、取締役会の承認を得ずに株式を譲渡することができます。

株式譲渡制限みなしに関する実務上の留意点

株式譲渡制限みなしは、中小企業の経営安定化などに貢献する制度ですが、一方で、資金調達やM&Aなどを検討する際には、その影響を考慮する必要があります。そのため、実務上は、以下の点に留意することが重要です。

自社の状況に合わせて、株式譲渡制限みなしの適用を受けるか、定款で譲渡制限規定を設けるか、あるいは譲渡制限規定を設けないか、適切な選択を行うこと。

株式譲渡制限みなしの適用を受ける場合には、資金調達やM&Aなどを検討する際に、事前に専門家に相談するなど、適切な対応を行うこと。

株式譲渡制限みなしは、複雑な制度であり、その適用範囲や効果については、個々のケースに応じて判断する必要があります。そのため、疑問点がある場合には、専門家に相談することをお勧めします。

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